「秘密保護法」チェックの灯を絶やさない―三木由希子さんに聞く

2014年2月26日 17時48分 | カテゴリー: 活動報告

2014.02.11 N PO情報公開クリアリングハウスの三木由希子さん

 都知事選直後の2月11日、私たちは、N PO情報公開クリアリングハウスの三木由希子さんを国立にお招きして、都政フォーラムを開催しました。おおぜいの方にご来場いただき、本件に関する関心の高さを改めて感じました。三木さんは、13年間に亘って「国立市情報公開・個人情報保護審議会」を務め、私たちが常に頼りにしてきた方です。秘密保護法成立前は特に、多くの集会やシンポジウムで講師となり超多忙。そんな時にお声を掛けさせていただくと、「国立にはいつでも行きますよ」とのお返事。

 秘密保護法が成立した今こそ、成立反対に向けたあのエネルギーを維持しつつ、1年以内の施行スケジュールを踏まえて、特定秘密に関する基準・監視機関の設置などに対するチェックを現実的に高めたい。そんな想いに適切に応えてくれるのは三木さんだと考えていたので、とても嬉しかったです。
 三木さんの講演は、いつもながら用意周到。論理明晰、穏やかな口調ながら鋭かったです! お話のポイントをまとめてみました。

【法制定後、残されている課題・問題】
◆何も決まっていない、分かっていない特定秘密の指定・解除・適正評価の基準
→18条1項で「基準を定める」とし、2項で「優れた識見を有する者の意見を聴かなければならない」とし「諮問会議」を設置したが、会議は3回くらいしか開かれず、ここが何をするのか不明のまま。
◆議論されていない特定秘密の記録としての管理ルール
→日本の場合、米国と異なり「特定秘密保護」の政府権限が最大化されていて、「特定秘密の管理(指定と解除・管理)」に関する政府の説明責任を最小化にしている重大な欠陥がある。政府は、すべて首相の下に、
・秘密の指定・解除等のチェック機関として
「情報保全監視委員会」(内閣官房・官房長官と次官級で構成)を設置
・特定秘密の検証・監察機関として
① 「情報保全監視室」と「独立公文書管理監」を設置
としているが、いずれも、独立でも、第三者機関でもない。米国大統領令を参考にしたとされるが、米国にはある秘密指定・解除等に関する「異議申し立て」や「不服申し立て」の制度が入っていない問題がある。
◆特定秘密の解除=公開とするよう担保されていない問題
→秘密指定期間が30年となる行政文書は、国立公文書館に移管されるのか? 国立公文書館に移管されると「公開」さえるかは制度的な担保はない問題。
◆特定秘密とそれ以外の既存の秘密指定制度との関連性が出来ていない
◆特定を共有する人の適性評価とその実施主体 
→「すべてが行政機関の長」となっている。「秘密漏えい等の罰則」を強化すれば、情報漏えいはしなくなるだろうという、昔の体育会的な発想。政府は放っておくと腐敗するという自戒がない。

 以上を見ても、問題は山積していることが良くわかります。この国の貧困な民主主義の姿がくっきり示されているように思います。

2014.02.11 都政フォーラム いま知っておきたい「特定秘密保護法」で地方自治体の報告を行う

 確かに、政府の保有する情報に対する市民の権利=「情報公開法」創設(2001年4月)されてから約13年。また、公文書というものを「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」として位置付けて=「公文書管理法」(2011年4月)から約3年しか経っていません。秘密保護法成立時に多くの国民が政府に対して叫んだ「国民の知る権利を守れ」の主張は、その10数年の実りの延長線上にあったものです。
 三木さんは、現在の国会構成を見る時、秘密保護法の改正や廃案はかなりハードルが高いとおっしゃっていました。異を唱え、廃案を視野に入れながらも、特定秘密に関する基準・監視機関の設置などへのチェック機能をいかに高めるか、各人が学んで具体的に提案することが大切だとの三木さんの発言を私は受け止めたいと思いました。

 国の情報保護と管理のしくみの制度を高めるためにも、地域での同様の運用と活用に敏感であることが大切です。次回は、各市の条例に基づいて「情報公開」や「個人情報保護」はどれほど活用されているか、都政フォーラムで発表したアンケート結果を報告していきます。

2014.02.27からの予定(2014.02.26現在)