災害がれき、10月から900トン受け入れ決まる

2012年8月2日 18時57分 | カテゴリー: 活動報告

多摩川衛生組合議会からの報告

 7月26日、多摩川衛生組合臨時会において2件の陳情が提出されました。
「災害がれきの広域処理に関する陳情書」「放射能物質を含む家庭ごみ等の焼却に関する陳情書」ですが、ともに“不採択”となりました。追加された賛同署名は結果的に、(1)は659名、(2)は603名とたいへん多く、この問題への関心の高さと心配が多いことを痛感しました。

  陳情者の「ごみ焼却を考える会In Tama」の皆さんが求めたものは、それぞれの陳情について
(1)外部の専門家や市民を招いての慎重な議論   (2)モニタリングの強化や危険なごみの減量  でした。
  生活者ネットとしては、これらの陳情趣旨については当然なことと考え、“採択”としました。以下、採択とした理由をお伝えします。

【健康被害】 
 陳情者のお子さんは、原発事故後、鼻血や口内炎、足の紫斑、足の爪の異常など原爆症のような症状が出て、現在、沖縄に母子避難している。各市において、健康被害の調査が必要。被害が伝えられた場合、行政は、被曝を専門とする医療機関を紹介するなど速やかな対応が必要。

【地元農家の受けている被害】
 東京都は、都内の農家で、たい肥の原料とする落ち葉や剪定枝の検査を要望した29区市町村、129検体を調査。129検体のうち13検体において放射性セシウムが暫定許容値の400ベクレル/キログラムを超えたため、都は、落ち葉や剪定枝の使用の自粛と廃棄を要請。多摩川衛生組合の構成市の農家からも高い放射能汚染の値がでている。東京都のデータを基に、組合としては、出来る限りサンプリングと測定をして、結果が出た場合は、組合で焼却しないことが組合の信用につながる。

【有害物質について】 
 細野環境大臣は、広域処理される「木質がれきはヒ素とクロムが入っている」と発言している。「大気汚染防止法」上、ヒ素とクロムの焼却は合法的だとの言い逃れは、非常識だ。岩手県一関では、被災地のがれき焼却をした後、焼却灰の六価クロム化合物含有量が、1リットル当たり7.82ミリグラム出た(基準値は1.5ミリグラム。つまり5倍)。がれき受け入れを停止し、焼却灰の再検査、処理薬剤の添加量を増やす等の対応が取られた。六価クロムは強い猛毒性があり、がん、皮膚・気道障害を起こす。ヒ素も各地で検出されているが、組合でも、これらの有害物質の検査は必須だ。

【バグフィルターの性能】 現在のバグフィルターは、煤塵に含まれる個体のセシウムは捕捉できると推定しているようだが、高温で焼却されたセシウムは、フィルター通過時には200度くらいだと言われている。そうであれば、セシウムは個体でなく霧状の気体状であり、フィルターを通過して大気中に拡散してしまう。個体として捕捉できるとの確証はいまだない。

【必要な財源確保】 
 現状把握の第一歩であるモニタリングの強化を、どのような選択肢があるのか、専門家に聞く必要がある。煙突の先にガイガータウンターを付けて継続的な測定をするだけでも、組合の積極的な姿勢として市民に評価されると思う。

【補正予算、財源についての説明】 
 1トン当たり処理費4万4千円、輸送費1万5千円、計5万9千円がかかると、一部報道されている。がれき広域処理は、何と1兆700億円が見込まれている(2014年3月まで)。このおカネは、復興財源と呼ばれ、復興増税、つまり、市町村議会の議決事項であった所得税の年2.1%増税(今後25年間)、また個人住民税(年間1,000円で10年間)などで賄われる。この事実は、構成四市の市民生活に大きく関わることで、丁寧な説明が必要であった。がれき広域処理の財源についての説明は不十分。

 なお、国立市から出ている多摩川衛生組合議会議員4人のうち、6月に前田せつ子が辞任したため、今回から私小川がメンバーに加わり出席しています。