「震災がれき広域処理=復興」についての多くの疑問

2012年4月4日 17時15分 | カテゴリー: 活動報告

3月議会報告〜その②

 3月議会では、市民にとって重要な事が、行政からの「報告」で終わることが多かったとの感想を強く持っています。そのひとつに「多摩川衛生組合におけるごみ処理広域支援」があります。事が決定してから市民に知らせる、もしくは、充分な周知のないまま事業が実施されてしまう……。
 さて、宮城県女川町の震災がれきが、今後、国立市のごみ焼却が行われている「クリーンセンター多摩川」(稲城市)で焼却される予定です。4市合同の「住民説明会」が開かれると聞いていますが(日程未定)、それに先立ち、市民による勉強会が今週末に開かれますので、ご案内します。

■「震災ごみについて知っておきたいこと」
 4月7日(土)午後2:30〜5時まで
 @稲城市公民館集会室
 参加費:500円 主催:ごみ焼却を考えるin Tama

 3月議会・建設環境委員会の「報告事項」において、私も短い時間ではありましたが、いくつか質疑をしました。答弁と併せて主な内容をお伝えします。今後も、問題の本質を皆さんと共有していきたいと考えています。

Q1:多摩川衛生組合での被災地のごみ受け入れの最終的な判断は、多摩川衛生組合議会で良いのか?先ほどの報告では、被災地(宮城県・岩手県)・東京都・(財)東京都環境整備公社の四者による基本合意に続いて、東京都市長会の下部組織である専門部会「災害廃棄物に関する受入協議会」と東京都で協議がすすめられ「協定書」が締結されたとあった。その協定書は、法的拘束力はあるのか?
A1:法に基づいた協定ではないので、法的な拘束力はない。ただ、都道府県間、市町村間で約束されたことなので守っていくという立場だ。

Q2:がれきの内容は、何か? ごみの分類としては、何に相当する? つまり、一般家庭ごみの焼却場であるクリーンセンター多摩川の焼却炉で燃やすことに、法的問題はないのか?
A2:木くずや畳などの可燃性廃棄物で問題はない。
【小川・意見】いわゆる混合廃棄物であるPCBや有害化学物質、アスベスト含有物の処理がなされていない問題がある。環境汚染の拡大とともに、焼却炉に負荷が掛かり、延命に支障がでる懸念がある。

Q3:震災がれき処理に対する国の予算は1兆7百億円と莫大だ。多摩川衛生組合では、1トン、いくらでの受け入れとなる? 新聞報道では、約5万〜6万とあったがどうなのか。
A3:国から支払われるのはトン当たり3万円。運搬費は東京都の環境整備公社が受け取り(1万5千円/t)、焼却受入れ施設の手数料は1万5千円/tと聞いている。
【意見】広域処理は、受け入れ自治体の善意ではなく、国から補助金が出て税金が大きく動く仕事である点に注目したい。つまり、広域処理では、地元への経済効果や雇用創出は望めない。岩手県のある町長は、「どうして急いでがれきを全国に拡散するのか? 10年20年かけて処理した方が雇用を確保でき、地元に金も落ちる」と発言している。

 以上の質疑を通して、幾つかのことがわかりました。
 本来、ごみ処理は財政的負担も含めて、地域に任されています。当然ながら、最終処分場からの意見もあるでしょう。今回のがれき広域処理に関しては、各種協定に関して法的拘束力がないにもかかわらず、上からの指示となり、地域への充分な情報提供と説明がされていないことも問題です。説明会が、多摩川衛生組合構成4市の内、1カ所のみ(今のところ1回限り)の開催というのも、納得がいきません。

 また、環境省は、昨年8月31日、「8000ベクレル/kgを超え、10万ベクレル以下の焼却灰等の処理に関する方針」を定め、最終処分場での埋め立て処理・基準緩和を行っています。東日本大震災以前は、IAEA国際基準に基づいて、放射性セシウムが、100ベクレル/kgを超える場合は、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めてきました(クリアランス制度)。環境省によって、基準緩和がどんどんすすめられるなか、広域処理が求められる経過は看過できません。
 災害がれきの広域処分について、環境専門シンクタンク・環境総合研究所は、早くから「必要性、妥当性、正当性」の面から問題があると指摘。また、日弁連では会長名で「安全面、コスト面」での問題を指摘しています(2011.9.20)。
 
 今週末には市民による学習会も開かれます(上記)。
 また、多摩川衛生組合による説明会の日程が分かり次第お伝えしますので、この機会に、震災がれきの広域処理について、どういった方法が一番良いのか、きちんとした情報を元に私たちとしても冷静に再検討すべきと考えています。