「放射能汚染状況重点調査地域」と子どもたちの日光移動教室

2012年3月15日 23時22分 | カテゴリー: 国立市議会

6年生が今年も日光へ行く市教委の判断について〜一般質問より①

 明日16日(金)、国立市議会・総務文教委員会で、20名の保護者が連名で提出した「市内小学6年生移動教室実施に伴う行先変更に関する陳情」が審議されます。20名の連名という多さも前代未聞ですし、切実な訴えに対して各委員がどのように審議し態度表明するかが注目されています。 

 さて、私も今議会・一般質問で、改めて日光移動教室を取り上げました。データや情報の取り扱いにも細心の注意を払いつつ訴えたつもりです。以下に質問と一部答弁をお伝えします。放射能汚染の問題ですので、皆さんと共に真摯に向き合いたいと思っています。

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 今回小学6年生が日光へ行く前に、改めて一般質問で取り上げる理由は主に3つあります。
 ひとつには、この間、各地の保護者が小学生の日光行きについて疑問に感じていることを意見交換し、何らかの行動を起こし始めていることを知ったからです。
 私の知る限りでも、豊島・板橋・世田谷・江東・清瀬・日野・八王子・立川・国立、そして神奈川県では相模原・厚木・綾瀬・鎌倉各市の保護者が、場所の変更を求めて声を上げています。保護者は横の連携を結びながら、各市ごとの活動に沿って、行き先の変更を求めています。

 二つ目には、日光移動教室に注目して以来、日光市や栃木県のHPを頻繁に確認するようになって、日光の子どもが置かれている状況から目を背けられなくなったことです。
 日光市で昨年末、保育園、幼稚園、小中学校、都市公園・運動場など「子どもたちが利用する公共施設等」の1426地点を測定した結果、除染の基準値を超える箇所が67地点あることが分かっています。日光市の除染の独自基準は毎時1マイクロシーベルトと高く、国立市などの0.23マイクロシーベルトの約4倍です。そのような中で、保護者からは、日光市がこの1年間、観光の宣伝のために約2億2千万円を支出したにもかかわらず、子どもたちを守るための小型放射線量積算計(ガラスバッチ)の手配やホールボティーカウンターの設置などへの予算付けがあまりに少ないことに不安を訴えるなど、日光市においては放射能被害による混乱が続いています。

 三つ目、最後の理由ですが、国や行政がつぎつぎと示すデータや結論には理解に苦しむことが多く、私たち皆がその情報の被害者になっていると思ったからです。

 環境省は、昨年12月19日に、日光市を「汚染状況重点調査地域」に指定しました。福島県の市町村40を含む102の地域のひとつに日光市は指定され、日光市民に衝撃を与えました。放射能汚染からの回復を単独市に任せず、今後は、国が自治体を支援して、0.23μシーベルト以上の地点の除染実施計画に基づいて対応していくことになっています。この放射線量汚染マップをご覧ください。日光市が、市内を1キロメートル四方で区切り、山岳部などを除いた538カ所で測定を行った結果を基につくられたマップです。日光市内の6割強が緑色の0.2〜0.4μシーベルトの汚染であることが発表されました。
 他方、同じ環境省は、1月に入って、「修学旅行生などが公園を訪れても影響はない」と発表したため、大きな混乱を招いています。子どもたちが行く戦場ヶ原や湯ノ湖の散策ルートや遊歩道、トイレや駐車場など10施設41地点を測定。0.23μシーベルト以下だったとの発表でした。確かに、市内から離れ、いろは坂を亘って中禅寺湖の方面は、0.2μシーベルト以下のところが多いようです。ただ、環境省もさすがに、6割強が0.2〜0.4μシーベルトで汚染されてしまった日光市全体が「安全」とは言えない現実があります。何よりもそこに暮らす子どもたちが、とにかく一刻も早く放射能が除染されることを待っているのであり、いま、手元に示されたデータを見極めた上で、大人の私たちがどのような判断を導き出すかが注目されています。

(1)そこで伺います。日光市の保護者たちのHPを見ますと、日光市では0.2マイクロシーベルト程度は当たり前で、親たちはたいへん心配しています。放射能汚染は点として考えられず、面的な把握と認識が必要と思いますが、日光に行った場合の、国立市の子どもへの健康被害をどう考えるか、伺います。

(2)前回の一般質問でも、日光へ子どもたちを連れて行くメリットと変更する際の困難さをご答弁いただいています。しかしながら、国の支援を受けながら除染をすすめていく日光市ではなく、今年度の移動教室の他の候補地をどの程度具体的に検討したのかお答えください。また他の場所へ変更できない理由は何かをお答えください。

【再質問】
Q1:健康被害は考えられない、とのお答えでした。保護者が安心しておらず、行き先変更の要望が、各市を見ても多くあるが、そのことをどう受け止めているか?
Q2:教育委員会としては、子どもたちが全員で移動教室に参加できることが大切と言っている。昨年、放射能を理由として、日光移動教室に行かなかった子どもはいたか?
A2:4名いた。→市教委は、当初より、移動教室は生徒が全員でいくことを第一の意義と説明してきたことと矛盾する。
Q3:東京都の教育委員会の中で、行き先を日光から他の場所に変えた自治体はないのか? A3:聞いていない。 →豊島区がある。保護者からの意見を受けて、昨年より行き先を変更したときている。変えることはできる。国立市教委にも、柔軟な対応を求める。
Q4:旅行代理店から、他の候補地を出してもらっていないのか?A4:出してもらっていない。→なぜ、出してもらわないのか? 福生市では、他候補地を出してもらって検討したと聞いている。
Q5:市教委として、リスクマネジメントの観点からも、「汚染状況重点調査地域」に指定されている日光市に子どもたちを連れていくことの教育的な主張は、今でも成り立つと考えるか?
Q6:市教委の判断基準について私が疑問に感じるのは、文科省や環境省の提出するデータの部分を切り取って、できるだけ放射線量の低い値を見つけている気がする。また、保護者に、日光市の市長が出している「観光安全宣言」を配って、子どもたちが日光へ行っても心配ではない、と繰り返す姿勢です。一昨年までは、外国からも多くの観光客が訪れていた日光へのお客さんは、いま激減しています。日光市の小中学校などでは、1ミリシーベルトを超える箇所が現に67カ所もあって、ともかく、国の支援による除染を待っています。0.23ミリシーベルトを超える除染の箇所が何カ所くらいあるか、まだ情報もありません。そのような中で、国立市教育委員会として求められていることは、豊島区教育委員会と同様、子どもの安全、保護者の安心を一番に考慮し、実務的な困難を乗り越えてでも、行き先の変更を行うことだと考えます。

※16日の総務文教委員会の報告は、また追っていたします。