東京電力に住基ネット情報を使わせてはいけない

2011年12月29日 12時30分 | カテゴリー: 国立市議会

今年最後に“賠償”の重みをかみしめる

 大忙しの年の瀬をお過ごしのことと思います。仕事が終われば、掃除にお正月の用意などなどが待っています。それでも、しばしのお休みに入る!というのは救いですね。

 そんな中、立ち止ったニュースがありました。
原発避難区域以外の約150万人の方々への賠償をすすめるにあたって、東京電力でも各自治体でも個別対応はしきれないので、住基ネット情報を民間会社である東京電力に利用させるというニュースです(経済産業省の方針)。

 これまで東電は、避難区域の約15万人への賠償を、住民から電話で住所を伝えられ請求書を送付、本人確認のために住民票の写しをつけて送り返してもらうという手続きで個別対応してきました。ところが、自主避難した人も含めて避難区域外23市町村の約150万人への賠償となると、東電が大規模なコールセンターを設置しないといけないことになり、市町村側にとっても、たしかに膨大な数の住民票交付は大きな手間となります。しかし、東電に住基ネット情報を利用させることに対する現場の声は、次のとおりです。 

「個人情報管理の問題もあり、賠償のくわしい進め方を示してもらわないと判断できない」(福島県原子力賠償支援課)
「東日本大震災からの復興業務で忙しく、負担が増える」(市町村職員の声)

 住基ネット情報はこれまで、公的な機関の事務のためのみに使われてきました。民間企業である東電向けに使わせるには、法の隙間を突くような拙速なやり方であり、最低条件としてもプライバシー保護のための条例改正や罰則規定の強化が必要となります。万一、東電を含め関連会社において、個人情報の取り扱いに不備が出たり、流出を起こしてしまっては、二次被害という悲劇を招いてしまいます。

 国立市では、情報流出の「おそれ」が常にあり、住民の自己情報コントロール権も、自治体の住民情報コントロール権もないという中で、住基法36条の2に基づいて正当に一時切断してきています。来春1月中旬には、住基ネット接続のYES,NOを問う住民投票を求める条例制定に関する「臨時市議会」が開かれます。代表請求人らの陳述も予定されており、小さいけれども大切な個人の声が、市議会議場に響き渡ることでしょう。議会と住民がどう受け止めるか、大きく注目されているところです。

 さて、3・11の原発事故に伴う“賠償”は、かけがえのない一人ひとりの人生を大きく変えてしまった取り返しのつかない事実に対して、おカネで償っていくという、決して同質にはならない不条理極まりない問題だと思います。どれだけ賠償対象者が多くとも、東京電力が起こした事故です。あたかも「国策」としてすすめてきたのですから、経済産業省は、安易な住基ネット情報の利用を東電に広げるべきでなく、福島の各市町村を支援し、同時に、東電に対してはこれまで以上に全社をあげて取り組むよう、強く警告すべきです。

 あたたかなお正月をどなたもが過ごせることを祈りつつ、今年のHPを終わらせていただきます。ありがとうございました。