「原子力損害賠償支援機構」法案って何??

2011年7月26日 13時14分 | カテゴリー: 活動報告

26日に衆議院を通ってしまう

 今日、午後から、参議院議員会館で開かれた緊急集会「許すな!原子力損害賠償の上限設定」に行ってきました。主催は、東京ネットも賛同しているeシフトや国際環境団体NGO FoE Japanなど。只野靖弁護士と福田健治弁護士からの説明を受けてきました。

 明日26日にも衆議院を通過するといわれているこの法案を、これまで取り上げて伝えてきたのは、東京新聞と日本経済新聞だけです。従って、国民にはよく知らされていません。大まかに言うと、
1.賠償支援機構を新設する。
2.そこに、東京電力から「特別負担金」1000億円/年、他の9つの電力会社から「一般負担金」3000億円/年を投入する。政府も、交付国債10兆円を機構に入れる(つまりこれは税金)。

 政府は、この新たな支援措置を、「巨額な損害賠償が生じる可能性を踏まえ、原子力事業者が損害賠償の支払等に対応するため、①原子力事業者は『相互扶助』の考え方に基づき、それぞれ資金を拠出しあって備え、②必要な場合には政府が損害賠償の支払等に係る援助を行う仕組み」と、説明しています。

 しかし皆さん、この説明には、「相互扶助」=10の電力会社による独占体制の固定化、独占維持のための電気料金の値上げ、その結果としての自然エネルギーの停滞を感じませんか?
 
 問題は幾つもあるようです。
 まず、この法案が、今後の原発事故の可能性と、電力の安定供給を前提にしているということです。いま国民の約7割は、原子力に頼ったエネルギー政策からの転換を求めています。その意味からも、政府の前提は誤っています。次に、賠償スキームから、株主や債権者、金融機関が全く除かれている点です。飯田哲也さんは次のように語っています。
 「…東京電力は全ての財産を出す。次に株主で、株価はゼロに原資して上場廃止する。融資した銀行は、貸し手責任の原則から債権を放棄する。…それで賠償責任してもなお金が足りなかったら、毎年5000億円積み立てている再処理等積立金を使う(現在2.5兆円)。…」
 自動車会社もインターネット等の会社も、民間企業の事故リスクは、現状、民間の保険でカバーしています。原発に関してだけ、保険が成立しない、または保険料が高すぎるようなら、そもそも、危険な原発に手を出さないのが当然の流れとなるでしょう。

 さらに、現法案の「付則」に、原子力損害賠償法にある「電力会社の無限責任規定などの見直し」が入っていて、多くの批判が出ています。いまだ、原発事故は収束していないどころか、セシウム汚染牛の全国的な拡大もあり、死亡などの犠牲者や被災者、負傷された方、土地や職を失った方、放射能汚染で一次産業の被害を被った方、避難を余儀なくされた方、親を失った子どもたち、子どもたちの未来にたいする権利保障など、まだまだ実態把握が出来ていません。にもかかわらず、現法案成立間近との報が流れると、今日などは、東電株が一時的に上がったそうです。「東電救済法案」と言われるゆえんです。 

 法案は、民主党、自民党、公明党、そこに共産党、国民新党、みんなの党で通す見込みと聞いています。経済的混乱を避けることを大義名分にして、東電が取るべき損害賠償の上限を設定してしまう機構の設定は、順序が逆でとうてい納得がいきません。現法案の廃案を求めます。