関口市長、上原前市長に求償権を行使しない

2011年1月11日 11時19分 | カテゴリー: 国立市議会

5日、明和マンション住民訴訟、控訴へ

 昨年末の22日、大学通り・明和マンションに関する「損害賠償(住民訴訟)請求事件」の地裁判決が出され、新聞報道で目にされた方も多いと思います。判決は、関口市長は上原前市長に対し、市が前件控訴審判決の結果により支払った金員(約3123万円)と同額を、国家賠償法の求償権を有するとして、前市長に支払うよう命じよとの内容で、非常に理解に苦しむ判決でした。
 
 そこで、被告となっている関口市長は、納得のいかない判決に対して、粛々と、控訴期限の5日までに控訴の手続きを済ませました。市長個人を被告とした今回の訴訟に、議会の承認は不要でした。しかしながら、説明責任を果たすため、会派代表者会議で説明し、さらに1月4日には、議員による全員協議会が開かれました。
 
 理解に苦しむ判決……、と言った理由は、市長が示した控訴の主な理由に、端的に示されています。

①今回の住民訴訟で「重大な過失」が問われているが、損害賠償2500万円となった、それぞれの事象は、ひとつひとつは不法行為とはならないが、全体を観察すると「不法行為」としている。重過失がいつの時点であったか判然としていない。公務員に対する求償権は、重大な過失が認められた場合に問われるが、前件控訴審判決でも、それは明示されていない。
②市に損害が発生したということが求償権の論点になるが、前件裁判終了後、明和地所から、ほぼ同額の寄附(3123万円)の申し出があり、実質的に損害の補填がなされている。前市長に請求を求めれば、市としては二重取りになってしまう。
③国立市の景観を守るという施策を体現した前市長に対して求償権を行使するのは、信義則上許されない。
④求償権の行使を違法に怠っているとされているが、前市長に重大な過失があると、関口市長として容易に認定できるものではないとの理由から、求償権を行使していない。 

 私も、明和マンションに関わる判決文をこれまで読んできましたが、今回の地裁判決ほど、原告(明和側に立つ住民)が提出した前件控訴審の判断のみを繋ぎ合わせたような杜撰な判決文を読んだことがありません(重松議員が全協で、それを「コピペのコピペ判決文」と表したのは、実に的を得ていました)。つまり、企業側に偏っていることが一目瞭然で、景観保全や住民による地区計画の有効性を無視した判決には、時代錯誤すら感じます。

 前件控訴審判決の後、国において、景観法が制定され、「住民の景観利益は、法的に保護されている」時代となっています。そこから余りに逸脱した今回の司法判断に対して、良識ある多くの市民は不信感を抱いています。
 そのことは、正月4日という異例の議会・全員協議会に、おおぜいの市民が傍聴に駆けつけたことにも現れています。傍聴者の大半のご意見も、市長は控訴して、地裁判決を覆すべきとのことでした。国立市議会としても、住民自治を基本とする時代の流れと市民意見に、謙虚に耳を傾けるべきと思います。