延藤さんの「新しい小さな公共空間」の提案

2010年12月2日 19時26分 | カテゴリー: まちの居場所・人と人がつながる

“おでん”のように混ざり合いの美味しさを発揮

 誰もが忙しい12月。今年中に終えなければならないことが山積しています。そんな中でも、嬉しい「忙中閑」もあって、ホッと息を付く時があります。

 先週末、私たち生活者ネット多摩きたエリア会議では、永らく念願だった延藤安弘さんをお呼びすることができました。延藤さんは、まちの小さな公共空間“まちの縁側”づくりを、古風なスライド映写機である“幻燈”で次々に映し出していきました。
 
 スタートは、英国の絵本『Belonging』。子どもの成長とまちの成長がつながっている物語です。続いて、イタリア・ボローニャでの高齢者による自主運営の社会センター、名古屋東区・まちの縁が輪育み隊MOMOによる撞木館、5000ヶ所の地域の居場所をめざしている活力ある長野市ボランティアセンターなど、どれも遊び心いっぱいで愉快な居場所が紹介されました。延藤さんの吸引力ある話しに、私たちはしばし時を忘れて過ごしました。

 延藤さんが提唱する「新しい小さな公共施設」には、3つのパターンと特徴と課題があります。
私的空間の縁側化=「私発私設民営」。庭先にベンチを置いて「どうぞのイス」設置もここに含まれます。★ここに公的支援をおこなっているのは世田谷区のみ。
市民団体・NPO等による民間空き屋の賃貸型運営=「民発民賃民営」。延藤さんたちのMOMOによる撞木館運営がこれに当たる。★家賃負担が重い。バリアフリー空間整備などが課題。
イタリア全土に広がる高齢者の居場所に代表される「民発公設民営」。高齢者による自主運営・自主財源の点などが日本と異なる。空き施設などの場所を行政が無償貸与する。

 従来型の居場所(社協によるデイ・ホームなど)は、管理運営の負担が非常に大きい傾向にあります。これからの「まちの縁側」は、住民による自主運営により低コスト・高サービスが基本となることをめざしています。そして、新たな公共空間は、多世代間に友愛の関係を紡ぎ出し、住民力と地域力を高め、平均寿命より健康寿命を育み、子どもの心身を育んでいきます。

 延藤さんの講演プログラムは、福祉・子育て・環境・防災・アート・文化等の「たて割り」を超える必要を唱えていました。書かれたものにも「よこつながり」に相互を連鎖させていき、これからの縁側は、「おでん」のように混ざり合いの美味しさを発揮していくことが大切とあります。大切な示唆をいただきました。地域に持ち帰って、私もできることから始めようと思っています。