子どもを性的に利用しない社会に向けて

2010年6月25日 20時33分 | カテゴリー: 活動報告

6月議会報告②−一般質問より

 都議会3月定例会で継続審議となっていた「青少年健全条例改正案」は、6月議会で、否決となっています。この度の改正案は、漫画やアニメ、ゲームのキャラクターを指す青少年の性描写への規制や、画像や図版を持っている行為を規制する「単独所持」規定が盛り込まれていました。3月都議会では、東京都という公権力が、「青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく阻害」するものを不健全図書として指定を拡大していく点に関して、何をもって反倫理的な行為とするのかあいまいで、恣意的な判断への懸念が指摘されていました。都議団・生活者ネットの6月議会の態度表明は反対でした。2カ月にわたって、実態調査や意見交換を重ねてきた経過等を、山内れい子の次号レポートで報告していきます。

【市内「不健全図書」等の調査をどう活かすか】
 さて東京都は、すでにある「青少年健全育成条例」に基づいて、ビデオ店、コンビニなどにある漫画本を調査して、不健全と思われるものを都に報告させる協力員の推薦を、各自治体に依頼しています。国立市では、小学校区にいる「青少年育成地区委員」から1〜2名を都へ推薦し、市内を調査しています。これはあくまでも都の調査であって、調査員も少ないため市内全域を調査できず、さらに、子ども家庭部・青少年担当があまり関与していないことがわかりました。
 練馬区などでは、都の推薦協力員とは別に、区内の不健全図書等の氾濫防止のため、予算をつけて、区内全域で調査をしていると聞いています。国立市でこのような予算付けが難しいのであれば、尚更、都の調査結果を活かすことが必要です。市報に調査結果を載せ、啓発に繋げること、また、協力員を募集し、青少年育成地区委員を助ける役割を担う人を集めることを提案しました。

【教育委員会と子ども家庭部・青少年担当との連携が必要】
 インターネット上の有害情報や被害に子どもたちが晒される機会を最小限にとどめるためには、教育の場で、子ども自身が情報を判別できる能力を身につけることが重要です。市教委としては、セーフティ教室をすすめ、また、発達段階に応じたメディアリテラシー教育をおこなっていることを確認しました。
 小学校5年生から、ケータイを含めて有害サイトについて学び、中学2年3年では、ハイテク犯罪としての出会い系サイトや有害情報へのアクセス防止、学校裏サイトや掲示板の害、架空請求やネット販売の問題を、真正面から扱っていることがわかりました。
 しかしながら、東京都が昨年7月に開設したネット・ケータイのトラブル相談「東京こどもネット・ケータイヘルプデスク=こたエール」を、市教委と子ども家庭部は十分活用していません。また周知が不十分なことは残念です。「こたエール」は、子どもだけでなく、保護者や学校関係者も相談ができる有効な窓口です。市で設置できない点を認識した上で、都の「こたエール」の活用を提案しました。

 昨今のインターネットの革新的進歩と普及により、携帯電話でのサイトを含めて、子どもや青少年に、日常的な場で、わいせつなポルノ画像が届けられている現状を、これ以上見過ごすわけにはいきません。子どもが性的に利用されることの無いよう社会的合意を図っていくことが喫緊の課題です。メディアリテラシー教育と人権教育をすすめ、行政の縦割りを越えて、被害にあっている子どもの救済、相談窓口の周知など、子どもの権利条約に沿った最善の策を講じていかなければなりません。