明和マンション裁判−住民監査請求と監査結果

2009年5月22日 16時39分 | カテゴリー: 活動報告

地域に合ったルールから住環境を考える

 「国立市職員措置請求書」いわゆる“住民監査請求”が、2月末に提出されていました。4月24日、国立市の2人の監査委員(高橋雅幸氏・青木健議員)により、監査結果が出されましたので、皆さまにお伝えし、コメントも付けたいと思います。
 259名の請求人の方々は、最高裁決定を受けて国立市が明和地所(株)に支払った約3123万円について、関口博市長に、上原公子前国立市長と、学校法人を含む7名の補助参加人に対して、法的手段を含めて「求償権」を行使するよう求めていました。
 まず、監査委員による結果について、「住民監査請求に関わる判断」として、
●「求償権未行使の状態により国立市に損害が発生しているか否かが論点となる」
●「(求償権)消滅時効が成立するまで、権利の行使が可能であるから債権回収については、行政組織において必要な検討、措置を講ずるべき」などが示されています。

 「市の損害」についての私のコメントですが、このHPでもお伝えした通り、明和地所は、遅延損害金まで含めた約3123万円(市が明和地所に支払った額と同額)を、国立市に寄付してきています。地域に生きる企業として、寄付行為によりマイナスイメージを払拭したかった、ということでしょうか。よって、市は、会計収支上マイナスは発生していません。行政に明るい伊東健次弁護士も「法律的意見書」で、
「前市長らに対し、求償権を行使するとすれば、国立市は、予想外の収入を得ることになるから、かかる不合理な結果を回避するためには、議会において、権利放棄の議決をすることも選択肢として検討する必要があろう」
と参考意見を述べています。
 次に、市が依頼した顧問弁護士らは、「求償権の消滅時効」を10年としています。2008年3月末の裁判所決定による支払いでしたから、2018年が時効となります。

 さて、監査委員は「結論」として、庁議で次の3つを検討し、60日以内に市民へ公表するよう「勧告」を出しています。
●求償の対象者及び範囲 ●求償権の行使等に至らないときの理由 ●市の組織的責任
 伊東弁護士は、求償の対象となる範囲に、「議会」も加えています(市民である「補助参加人ら」は対象としていません)。
 市としては、今後、総務部と都市振興部で主に検討をすすめつつ、庁議に付議していくと聞いています(6月24日までの公表予定)。
 検討段階において、市がこれまで得てきた3人の弁護士の法律的意見書(鑑定書)は、充分、参考にできるでしょう。市にすでに損害がなく、求償権の行使に当たらないのであれば、その理由を、ここで明確にしておくべきと考えます。

 さて、昨日13日の新聞の「ひと欄」に、明和マンション裁判の市側の弁護団に加わった日置雅治弁護士が取り上げられていました。現在、「景観と住環境を考える全国ネットワーク」代表としても、暮らしている人への配慮、地域に合ったルールを整える必要を説いてご活躍です。利益優先だけでは、事業者は今後、地域に受け入れられないことは、多くの高層マンション訴訟を通して、社会常識となってきていると思います。