宇梶剛士さんとチャップリン

2007年11月9日 16時33分 | カテゴリー: 活動報告

中学生へ伝えたいこと

 7日に行われた国立第一中学校・創立60周年式典に、一中卒業生でもあり、いま俳優として大活躍の宇梶剛士さんが呼ばれました。壇上に上がった宇梶さんは、上着を脱ぎ、「今日は本気だぞ」とひとこと。中学生の関心をすぐに惹きつけていました。
俳優をめざすことになるまるの波乱に富んだ話しをしてくださいました。
 …母親の出自がアイヌで、お母さんは人権活動に飛び回り、お父さんも仕事で不在が多く、親とは中学以来一緒に住んでいない話…プロの野球団からスカウトされるほどの野球少年だった話…名門私立高校へ入ったものの、しごきと暴力の酷さに練習をボイコットし、その首謀者と決めつけられ、野球も高校も辞めなければならなくなった話…。心にポカンと穴が空いて、肩をいからせ街を彷徨ううちに「不良」や暴力団と関係し、事件を犯して、ついに鑑別所・少年院に入った話……。
 宇梶さんは、少年院の中で、2つのものに出会ったと語りました。
ひとつは、更正の為にさせられた農作業で見た広い空。そして、もうひとつは「チャップリン自伝」という1冊の本。
 それまでは、世の中のすべてが悪いと決めつけ、誰彼となくケンカをふっかけていた。でも、広い青空の下に立つと、ケンカする相手もいない、肩をいからせ自分を大きく見せる必要もなくなり、これまでの自分を深く反省したそうです。そんな中で、喜劇王チャップリンの自伝と出会い、極貧の状態から学び、言葉の壁を越えるほど世界的な役者に成長していった姿を知って、耳から火が出ると感じたほどひとり赤面し、自分を恥じたそうです。「チャプリン自伝」を読んできた私も、宇梶さんの原点にチャップリンがあったのか、と大いに納得し、人生の岐路で自分を立て直していった宇梶さんに、感動しました。
 最後に宇梶さんは、「他人を羨んではいけない。人を蔑んではいけない。自分の人生の主人公は自分。他人を羨んだり蔑んだりする間に、主人公の座を他人に受け渡すことになっちゃうよ! 自分の道を歩めるようになると他人にも優しくなれる」、と語りました。
中学生へ贈られた言葉を、大学通りの広い空を仰ぎつつ、私もじっくり噛みしめた1日となりました。